【中和幹線橿原店】その取付け方、合っていますか?
2018/12/18
いつも当店のブログをご覧いただき有難う御座います。
中和幹線橿原店の仲です。
今年もあと2週間を切り、バタバタと慌ただしくなる時期になってきました。
私たちサービススタッフも一年でも非常に忙しい時期になってまいりました。
寒い日が続いておりますが、この時期になると多くなってくるのが、
「スタッドレスタイヤへの交換」
です。
当店でも毎日多くのお客様よりスタッドレスタイヤへの交換の依頼をお受けしておりますが、
お客様ご自身で交換される方もおられるかと思います。
そんな中、
「タイヤ交換しようとしたけどホールナットが緩まない」
「緩めようとしたらホイールボルトが折れてしまった...」
など、お問い合わせいただくことがあります。
そこで本日はこのようなトラブルが起きないよう、スタッドレスタイヤ交換時の注意点をご紹介します。
1.ホイールナットの形状
当然のことですがホイールナットにもいくつもの種類があります。
ナット頭部が貫通している「貫通ナット」、袋状になっている「袋ナット」、緩み止め用のワッシャー付きの「ワッシャー付ナット」、主に輸入車に使用されていてナットとボルトが一体型の「ラグボルト」etc...
そして取付けの際に一番重要になってくるのが、以下の「座面形状」です。
上図をご覧ください。
ナットを締付けていったときにホイールとナットが接触する取付け座の形状の違いです。
ホイールの取り付けナット座には「60°テーパー座」「球面座」「平面座等」があります。
ホンダ純正ホイールは通常「球面座」が使用されているため、純正ホイールナットも当然ながら「球面座」のものが使用されています。
しかしスタッドレスタイヤへ交換される際、社外品ホイールとセットのものをお持ちの方がほとんどかと思います。
そして社外品のホイールの座面形状は通常「60°テーパー座」が使用されています(中には例外あり)
ということは取付けするホイールナットも当然ながら「60°テーパー座」のものを使用する必要があります!
それを間違えて「社外品ホイール(60°テーパー座)」に「純正ホイールナット(球面座)」で取付けするとどうなるか...
座面形状が違いますがナット・ボルトともに変形しながら「ヌルッ」という感触はありながらいくらでも締まっていきます。
そしてボルトの伸びや固着、最悪の場合ホイールボルトが折れる可能性があるのです!
もちろん先述した「ホイールナットが緩まない」「緩めようとしたらボルトが折れた」というほとんどの原因がこの場合が多いのです...
ちなみにホイールボルトが損傷し交換が必要となった場合、ボルトのみ比較的容易に交換できれば
2〜3千円で可能ですが、ホイールベアリング分解しないと交換できない場合があり、その場合はなんと3万円近くする場合があります(T_T)
タイヤ交換をする場合は「座面形状が合っているか」や「取付け面やハブボルトに錆・汚れ・変形が無いこと」をしっかり確認する必要があるのです。
2.ホイールナットサイズ
先ほどは「形状」の説明をしましたが、ナット関連でもうひとつ重要になるのが「サイズ」です。
ナット!ネジ!と一言でいってももちろん一種類じゃないですよね?
ホームセンターでもめちゃくちゃいっぱいボルトやビスが販売されています...
そして、自動車用のホイールナット(ボルト)のサイズは以下のように表記されます。
そして以下がホイールナットの各自動車メーカーの適応サイズです。
■M12×P1.5■トヨタ・ホンダ・ミツビシ・マツダ・ダイハツ
■M12×P1.25■ニッサン・スバル・スズキ
■M10×P1.5■(軽自動車、旧車)ホンダ・ミツビシ
■M10×P1.25■(軽自動車、旧車)スズキ・ダイハツ・スバル・マツダ
■M14×P1.5■トヨタ ランドクルーザー(100系/200系・レクサス(LS460系・600h・500系)(LC500系)、ホンダ レジェンドKB1・シビック タイプR(FK2/FK8)※2、日産GT-R(NISMO)※1・他
※上記メーカーには、OEM車や一部ネジサイズが異なる車種が存在いたします
※1、日産GT-RはNISMOバージョンのみM14×P1.5となります
※2、ホンダ シビック タイプRはFK2(4代目)、FK8(5代目)からM14×P1.5となります。なお、純正アルミホイール座面は、球面座12Rとなります。二面幅、22HEXとなります。
上記のようにメーカーごとにサイズが異なります。
なので、「前の車に使ってたスタッドレスまだ使えるし使っちゃおー♪」というような場合でも、メーカーが変わるとホイールナットのサイズも変わってしまう場合がありますので間違えないようご確認ください。
3.ナットの締付け方法
「ホイール&ナットの形状もサイズもバッチリ!取付けするぞー」ということで、
ジャッキアップしてー
ナット外してー
スタッドレスタイヤに入替えてー
ナット締付けてー
完成♪
と、ちょっと待ったぁぁぁ!
ホイールナットを締付けるときにも順序があるのをご存知ですか?
下図のように対角線状に締付けることで均等に緩みにくくなりますよ!
そして締付けるトルク管理も重要になります。
■ネジ径M12の場合は110〜120N・m(11〜12kgf・m)
■ネジ径M10の場合は90〜100N・m(9〜10kgf・m)
■ネジ径M14の場合は140N・m(14kgf・m)
※上記締め付けトルクは参考値です。締め付けの際は各自動車メーカー指定トルクを優先下さい。
ナットの締め過ぎや締め付け不足は、ホイール・ハブボルト等の変形や緩みを引き起こし、事故の原因となることがあるのでしっかりトルク管理するようにしてください。
ちなみにこれが「トルクレンチ」です。
締付けトルクを設定すると、規定トルクに達したときに「カチッ」という感触があるので、締付け不足や締付け過ぎといったトラブルを防ぐ工具です。
少し値は張りますがタイヤ交換の際には必要となりますので、ご自身で作業される方は必ず準備されるようお勧めします。
タイヤはブレーキと並んで自動車が安全に走行するのに重要な部品です。
確実な知識と確実な取付けで十分気をつけて作業していただくようお願い致します。